黒曜の戦場


「テメェが順番すっ飛ばしてキスなんてしてっからコイツがキャパオーバーしてんだろ」

「はわわわわ!!??」

「まぁ人の事言えねぇけど」



なんてサラッと爆弾を投げてくれちゃったいおくんは、そのまま保健室から出ていこうとする。



「え、ちょっ、まって!!?」



こんな気まずい中で咲くんと二人にしないでほしい!!!



「俺にとっちゃクソどーーーでもいいけどなぁ、ミツハ安心させてぇから、お前らとっとと拗れたもん直してこい」



ひらひらっと片手を振って出ていくいおくんを、私たち二人は呆然と見ていた。

扉が閉まれば、静寂が訪れる。

とっっっても気まずい。



咲くんはそれを見届けてから、ソファーに座っている琥珀の元へと向かってくる。

わわわっどうすればいいのっ……!!!



「琥珀ちゃん……これどうしたの」



そう言って琥珀の前に跪いた咲くんが、琥珀の膝をじっと見る。

そこにはいおくんにしてもらった手当ての跡があって。



「……あ、来る時に転んで」

「痛くない?」

「もう、そんなに痛くない……」



琥珀の肘や、他にも怪我が無いか確認していく咲くん。

心配、させちゃったのかな……。

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