黒曜の戦場


よくよく見ると、この子は咲くんよりもずっと線が細くて、大きい服に包まれていてよく見えないけれど、中学生くらいのように見える。

まだ目がくりりと大きく感じるせいか、顔つきが幼い気がした。



「殺す、ゲーム」



その無垢のような彼の唇から吐き出される、似合わない非道な言葉。



殺すゲーム、だと?

え、人?ゾンビ?モンスター?RPG???

言い方が物騒。



「か、」

「……か?」



続けるように、その子は言葉を吐き出す。

か、って、orって意味の『か』でOK??

……よかった、選択肢は一つではなかったようだ。



「死ぬ、ゲーム」

「もうちょっと優しい選択肢ない???」



殺すor死ぬって。

ていうか死ぬゲームって何???

逆に気になるんだが。

けれども琥珀ちゃんはホラーやグロい系はアウトなので出来ません。

ごめんなさい。

最悪吐いちゃう。(乙女としてどうなのか)



そんなにしょぼくれた顔しないでぇぇぇ。

微かに眉を顰めるその子は、実は感情に忠実なのかもしれない。

いや、まだ出会ったばっかりで何も知らないけれど。

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