黒曜の戦場


いない?今いないのかもしれない?

でもそう考えると。



「いおくんだっていう可能性も消えるのでは……」

「いやまて、もうこれ以上考えるのやめよう。重要なのは未来だ、これからだ」



あさっての方向を見つめるいおくんに、琥珀はわたわたと返す。

それもまた現実逃避なような気がするっ!!



「とりあえずお前は、変な男が出ないか監視しておけ。出てきたら攫う」

「攫う!?」

「ミツハは強い、でも好きな奴には弱い。お前とかそうだろ」



確かに、琥珀はとてもとてもみっちょんに甘やかしてもらっている。

みっちょん大好き、びっぐらぶ!!



でも誰かが琥珀みたいに、みっちょん大好きになってしまうこともあるのかもしれない!!



「はっ!!!みっちょん、いおくんに当たり強いよ!!?」

「お前いちいち俺の傷抉ってくるなや?」

「だ、だって……!!!え、でも楽しそうでもある、どっちなの!!?」

「俺も知りてぇ。なんでお前聞けなかったんだよ……」



そんなしおれたいおくんに、琥珀もしょぼんとしたお顔を返した。

ごめんね、勇気が出なかったの。

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