黒曜の戦場
「なっ……バイクかっけぇだろうが!!」
「はいはい厨二乙」
「腹立つ……!!ちょっと一旦下来いよ」
「ちょっどこ行っ……琥珀がすぐそこに……」
遠のいていく声に、そのドアが開かれることは無かった。
ドアの手前で引き返して下の部屋に連れ込まれていったご様子だ。
「いおりはゾッコンだね」
「へ!!?」
「ミツハさんでしょ、あの人がずっと忘れられなかった人」
もしかして、知ってらっしゃる……?
赤ちん、青ちんもうんうんと頷いておにぎりを頬張っている。
「え、もしかして三人以外の黒曜のみんな知ってるようなこと……?」
赤ちんと青ちんが交互に答えてくれた。
「相手がミツハさんだってのは最近わかってきたことっすけどね」
「俺たちアシスタント組なんて特に、最近のいおりさん近くで見てきてるじゃないっすか。デートの時とかも」
「そういえば付いてきてたね」
デート、かぁ……。