黒曜の戦場


「他には、ない?」

「……将棋」

「しぶい」



まさかの将棋。

振れ幅……振れ幅がすごい。

ごめん、決していちゃもん付けたいわけではなくて。

ただ私は将棋のルールもよく知らない……。



「あ、の……じゃあ」

「うん?」



おや、まだ何かソフトがあるのだろうか?



「リンちゃんが買ってた、モモテツ……?」

「私はそれを待っていたのかもしれない」



リンちゃんが誰だかもわからないけれど、私はそれがパーティーゲームだということを知っている。

確か、簡単に説明すると、すごろくだ。

すごろくで全国各地の名産品を買っていって、金を荒稼ぎするゲームだ。
(認識に若干の歪みあり)



ナイスだリンちゃんとやら。

どこぞの誰だかも知らないけれどグッジョブ。



こうして、私たちはコントローラーを分けて、一つの画面で二人とCP(コンピュータ)計四人で戦う、パーディーゲームを開始した。

1ターンでひと月を回し、12ターンで1年が経つ。

それを、いきなり3年決戦で。



ぶっつけ本番でもさほど操作に困らなかったので、このゲームはすごいと思った。
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