黒曜の戦場
かわっ可愛いと言っていいんだろうか……でも可愛い。
不良さんたちのいっちばん偉い人、めちゃくちゃ可愛いんだけれど、どうしたらいい!?
琥珀おかしくなっちゃったのかな!!?
「このまま構っていたいけど、体に障るかな。眠っていいよ」
「…………このまま?」
「このまま」
咲くんはニッコリと笑うけれど、じっと見られていちゃ眠りにくいよ!!
「はぁ、琥珀が……俺の事考えてくれてるのかぁ」
「……考えちゃうよ、あんな……あんなことされたら……」
「考えて欲しいからキスしたってのが半分、気持ちを止めたくなかったのが半分」
「…………やっぱり意地悪さんだ!」
「琥珀はいつ俺のところに落ちてくれるかな」
柔らかく頭を撫でられ、それから咲くんは立ち上がる。
「明かり消していくから、ゆっくり眠って。何かあったら連絡してね」
「…………うん」
やっぱり、咲くんは意地悪ばかりじゃない。
こういう時配慮してくれる優しい人。
琥珀が眠りやすいように暗くして、部屋を出ていった咲くんは、次に琥珀が起きた時にもまだ部屋に戻ってきてはいなかった。