黒曜の戦場
カードの種類は多いけれど、選ぶと説明が表示されるし、初心者にも優しい。
基本、サイコロを回してコマを進めればいいだけだからね。
一時間後には既に、二人でそれはもう盛り上がっていた。
「もうキングボ〇ビー嫌なんだけどおおおお」
「CPと擦り付け合いしてるもんね、琥珀」
「未夜くんがゴールの駅にすぐ到着しちゃうから、駅から遠い人がコロコロ変わっちゃうんだよぉ!!」
普通のすごろくゲームとは違うのは、なんといってもゴールから一番遠い人に貧乏神が付いて、お金をどんどん奪われていくことだ。
最初の持ち金はみんな一緒だったはずなのに、今や一位とビリでは天地の差である。
借金地獄だ。
金額にマイナスが付いて赤字である。
なぜだ、どこから歯車が狂ったというのか……?
きっとボ〇ビーがキングになって謎の魔空間に飛ばされてからが運の尽きだったような気がする。
そんな白熱した場面で私が牛になった時(牛歩カード)、しばらく静かだった扉の向こう側からノック音が響き渡り、この場がスンッと静かになる。