黒曜の戦場
「個人的に出してる漫画を手伝ったのよ、デジタルでだけどね」
「デジタル……」
やっぱり世の中はデジタル移行しているんだねぇ……。
ココアを飲んでホッと一息つく。
咲くんの手にはコーヒーがあって、なんだか咲くんのイメージとそれが凄くマッチしていて、うっとりしてしまった。
いかんいかん、頭が疲れている、と頭をふりふり振る。
飲んだらもう帰るんだ、咲くんとみっちょんと帰るんだ。
けれど、団結感と達成感を味わった黒曜から帰るのは少し寂しさすら感じてしまう。
寂しくなったので、ちょこんとみっちょんの肩に頭を預けてすりすりした。
「なによ、琥珀」
「ちょっぴりさみしくなるね」
「帰るのが?」
「うん……」
帰りたくないわけじゃないの。
喪失感ていうかな、なんだか張り詰めていたものが一気に解放されて、寂しくなっちゃってるの。
「ならうち泊まる?」
「え!?いいの!?」
琥珀はみっちょんのその提案に、ぴょこんと起き上がる。
まだみっちょんと一緒にいられる……!?