黒曜の戦場
立ってその子を見下ろしているいおくん、ソファーに腰掛けて彼女をじっと見つめている咲くん、手首を後ろでネクタイで縛ったリンくん、ソファーに座る琥珀の後ろに立って片手を背もたれに置いている未夜くん、そして咲くんの隣に座っている琥珀。
「……そうやって」
と、捕まえられたその人がようやく口を開く。
「そうやってぬくぬくと甘やかされて、絵も大して描いてないくせに能天気で先生から一目置かれていて、挙句に黒曜?信じらんないのよ、なんでアンタみたいなクソボケが……!!!」
わお、これは琥珀に思うところがいっぱいあるのねっ!!
前回に引き続き、今回の子も結構毒を吐くみたいだぞ?
大丈夫か琥珀ちゃん?
負けるな琥珀ちゃん!!
「口開いたかと思えばそれ?ただの憂さ晴らしで傷つけようとしてたわけ?」
未夜くんがそう声をかけるも、その人はまた黙る。
「琥珀、聴きたくなかったらこっちで処理しておくけど、学校行く?」
「あ、学校……でもちょっと琥珀もこの人とお話したいかなぁ」
「そのぶりっ子も何なの、気持ち悪い」