黒曜の戦場
ぽかん、とした顔をしてしまったみっちょんは、少し視線を外して考えているよう。
まって、即答でいないとは言われなかったからこれはまさか……?
え、まさかいるの……?
「ねぇ琥珀、子供の頃の恋愛なんて恋愛とは言えないわよね?」
「どゆこと?」
「単に憧れとか、話した回数が多いからとか、なんかそういった単純なものだと思うのよね」
「……???」
子供の頃の、恋愛?
「えっと……前に好きな人がいたとか……忘れられないとかいう……?」
「間違ってはいないけど、こう……認めたくないのよ」
「認めたくない?」
好きだった人の事を……?
今みっちょんの中で何が起きているのか、琥珀にはわからない。
けれど照れてもいなければ楽しそうでも、悲しそうでもないみっちょんは、淡々と悩んでいる。
「正直、わからないのよ。子供の頃の恋愛が本物かどうかなんて」
「……それ過去の事じゃなくて……?」
「過去なんだけど、過去じゃないって言うか……あぁもう、ややこしいわよね」
頭をふりふりとしたみっちょんは言う。
「子供の頃、いおのこと好きだと思ってたのよ!でも再会したらわからなくなったわ」
「………………………え、」