黒曜の戦場
「どうしたの!!?」
「……ミツハ」
「琥珀はみっちょんじゃないよ、しっかりして!!」
「違ぇよ、ミツハに……黒曜のメンバーにならないかって誘ったら……フラれた」
「────どうしてそんなことにっ!!!」
琥珀は何がなにやら分からない。
頬の腫れを痛そうに撫でるいおくんの頭を、琥珀は背伸びしてなでなでした。
ふむ……みっちょんは黒曜に馴染んで来たと思っていたけど、メンバーになるのは嫌なんだろうか?
「女心……わかんねぇ」
「みっちょん心は色々と難しそうね」
琥珀はいおくんを連れて一緒に登校する。
いおくんが琥珀の後ろからしょぼしょぼと付いてくると、琥珀たちの前から人が避けていくことに気が付いた。
……いおくんがいるから?
ま、まって、いおくんしょぼしょぼしているけれど、決して琥珀がなにかしたわけじゃないからね!?
なんて心の中で言い訳をするも、その辺にいる生徒を引っ捕まえて説明するわけにもいかないので、しかたなく琥珀もしょぼしょぼ歩いた。