黒曜の戦場


いおくんがみっちょんを黒曜に入れたいと思っていたのも初めて聞いた。

まさか勧誘を先にするなんて思っておらず……それも、いつの間に?

まさかこの前言ってたように、みっちょんの家に行った後なのか……?

みっちょんの家に行ってビンタ食らってきちゃったのか!?



下駄箱をみると、みっちょんはもう既に学校に到着しているようだった。

いおくんはどこまで付いてくる気でいるんだろうか?

人が自分の前を避けていくのを見渡しながら、琥珀は……後ろにいおくんを引き連れて教室へと向かった。



教室に着くやら、こちらをガン見しているみっちょんと目が合う。

すると、スタっと立ったみっちょんが怖いお顔でこちらに向かってくるので、琥珀はわたわたする。



「ちょっと!やたらと廊下が騒がしくなってきたと思ったらアンタなの!琥珀の後ろに引っ付いて何してんのよ!」



ぐいっとみっちょんに腕を引っ張られて背中に隠される琥珀。

ずっきゅん!みっちょんカッコイイ!!!



「ミツハ……」



哀愁漂ういおくんは、大型犬がしょぼくれてるみたいだった。



「なによもう、ちょっとツラ貸しなさい」

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