黒曜の戦場
昼休み、琥珀のスマホはメッセージを受信していた。
『ミツハの様子は?』
いおくんからだ。
どうやら探りを入れたいらしいいおくん。
『変わらないよ』と答えると、『(´◉ω◉)』という返信が来た。
彼は琥珀の答えに一体何を望んでいて、どんな気持ちでいるのか、この顔文字からは何一つ伝わってこなかった。
「琥珀」
今日も今日とて一緒にお昼ご飯を食べるみっちょんが、無表情で琥珀を見ていた。
というか、返信ほやほやの琥珀のスマホを見ている。
「あ、いおくんから、ちょっとね」
なんて、琥珀もそんなこと言って様子を見てしまう。どきどき。
いおくんから聞かれたからってわけじゃないけれど、琥珀もみっちょんがどんな気持ちでいるのか、ちょっと知りたかったのだ。
はぁ、とため息をついたみっちょんが頬杖をつく。
お弁当のプチトマトをひとつ食べて、またため息を吐き、そして。
「ぶっちゃけ、ぐらついたのよ」
「…………え、なに?」
「朝の…………はぁ、もうよくわかんない。自分の気持ちが」