黒曜の戦場
この事実をこの胸に閉まい込んで、現実を受け止めるんだ、琥珀ちゃん。
「琥珀」
「……え」
「美味しかった」
ぶわっとその喜びオーラを受けた私は、一瞬前の思考なんてもう消え去っていた。
それにしても可愛かったので悔いはない。
未夜くん最強すぎる、そーぷりちぃ、そーきゅーと。
……あれ、ぷりちぃときゅーとの違いってなんだ??
「ところで女神さん」
「……………………………………女神さん??」
この場に、女は私1人である。
ということは、それは自ずと私しかいないことに気付かされる。
「女神……?」
「いや、昨日倒れたアイツが呼んでたんで」
昨日の記憶を辿っていく。
そう言われてみれば、彼が倒れる直前、彼は青白い顔を確かに私に向けて、片目から涙をこぼしながら「女神さん」と……確かに呼んでいた。
ただし、後にも先にも私を女神と呼んでいたのは彼だけのはずだった。
それがどうしてこうなったのか。
私は神に昇格したらしい。
「そもそも、あの人はなぜ私を女神だと思い込んでしまった?」