黒曜の戦場


琥珀ちゃんには琥珀ちゃんというぷりちぃな名前がある。

それに私は人間として生きているし、まだ死んでないし、天使の輪っかもついていないし、下々の者たちのお願い事も聞いていないし、祀られてもいない。

それに、人に吉凶を占うこともしていない。



巫女さん姿にはちょっぴりと憧れはある。

あれはかわいい。むふふ。



「アイツ曰く、自分の目が霞んで来て頭がぐわんとしている時に突然目の前に現れた女神らしいっすけど」

「実は突然じゃなくて、もうちょい前から君たちの目の前には姿を現していたんだけどね?」



誰も私の存在に気付いてくれていなかったよね。

ここで唯一居た女の子だったのに。

もう少しフェロモン的なアレを出す練習とかするべきかしら。

まぁ、どうやったらソレが出るのかなんて知らないんだけれど。



「だから俺らももう『女神さん』でもいいかなぁって」

「そんなテキトーな感じで大層な呼び名付けられちゃうもんなの?」

「俺は琥珀って呼ぶけど」

「未夜くん……!!!」



いや、女神も女神で喜ばしいんだろうけどね!?
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