黒曜の戦場


にこり、変わらないそのエンジェルスマイルは、優しさを感じると同時に鬼のようだとも感じた。

〆切という現実をまざまざと突きつけられ、当の彼は作業部屋から出ていったのである。



容赦ない……いや、一周回って愛なのかもしれない。

でも彼の腹の内はちょっとわからない。



結局、彼は漫画作業には関わっていないのだろうか?

とてもすごく他人事のようであった。



その辺の疑問も解消させてもらえないまま、私たちは作業に入る。















昨日スカスカだった丸に十字しか描いていなかったはずのそこに、ちゃんとキャラクターが描かれていて、その作業の速さに驚いた。

え、昨日私が帰ったの、日付が変わる前くらいだったのに……まさかそれからも手を付け加えてたの……?

ちゃんとペンも入っていて、フランス色の彼らは消しゴムを丁寧にかける所から始めていた。

といっても、未夜くんは赤・白の彼らから原稿用紙を受け取って、流れるようにトーンの作業に移っていたけれど。



私もヘッドホンと小物の下描きを次々と描いていき、そしてその次の作業で問題が発生した。

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