黒曜の戦場
ていうか、あみの広さが違うという所からしてもピンと来ない。
「その、あみの広さって何??」
知れば知るほど混乱が増していく『とーん』。
私より年下だろうに、私よりずっと知識も技術もある未夜くん。
初心者中の初心者なので本当に申し訳ない……あとでまた玉子焼を多めに作ってこよう。
いや、決して邪な気持ちがあるわけでは……もごもご……。
「トーンのこの点同士の間隔が広かったり狭かったり太かったり、種類がある。それぞれ番号が付いてるから、重ねる時は同じ番号を重ねるとモアレが出ないから」
そう説明しながらカッターの刃先をドットとドットの間に向ける。
その幅、一ミリもない。
うわぁ、細かっ!!
私はドットで世界を見たことがないから、漫画を創っている人達はそんな細々《こまごま》とした世界が見えているのかと思うと目が眩みそうになる。
ヤンキーたちが繊細な作業を出来る人を探しているという意味がよくわかった。