黒曜の戦場
音もなく消えて音もなく再登場するね、咲くん。
琥珀ちゃんの心臓はドクドクしちゃって、これはドッキリドンドン吊り橋効果にかかっちゃいそうですよ!!
吊り橋効果で舞い上がった女は猛獣のくまさんですよっ!!
危ないですよ!!
咲くん逃げて!!
琥珀はまだくまさんになりたくありません!!!
そこへ、咲くんの登場に気付いたらしい雨林さんが顔を上げる。
「なんで五時のお知らせしてんの?咲」
不思議そうに眉ひそめて黒縁メガネの奥から咲くんに視線を送る、背景の雨林さん。
……あれ?
今咲くんがお知らせしてくれたからには、私のことはみんなに伝わってるものなのかと……思っていたのだけれど……??
あれれぇ?雲行きが怪しいぞぉ?
「夕飯の時間にしては早くね?」
「ごめーん、彼女9時-5時だから」
「……は」
にこっ
とても煌めかしい笑みを向けているけれど。
──それってつまり私の9時-5時は伝えられていなかったというわけなのでしょうか!!??
ていうか作業お昼過ぎからしてたから始まり9時じゃないんだけどね!?