黒曜の戦場


「これ使って寝てくださいぃぃぃっ!!」



早くこの空間から出たくなってきた私は、そのアイマスク三枚を机の端っこにちょこんと置かせていただいて。

勢いよく90度の礼をしてから爆速で部屋を出た。

下々の者の礼がなぜあんなに綺麗に90度にキまっているのか、これでよくわかってしまった気がする。

ちょっと膝の裏伸ばしすぎた、痛い。

琥珀ちゃんの体は硬いんですよ……。





緊張しすぎて息、止まるかと思った!!!





作業部屋へと戻ってきた私は、机に両手を付けてゼェゼェと呼吸する。

私明日死なない?大丈夫?

余計なお世話だった……?

ていうか爆速で部屋を出てきたのがもう失礼だったかもしれない。



さっきの部屋から、肩を震わせた咲くんが出てくるのを視界の端で確認する。

え、笑ってる?

口抑えてめっちゃ笑ってない??



「……ふっ…………ラベンダーっ……ふふっ……」

「なんでラベンダーがツボになってるんですかっ」



確かにガチヤンキーとラベンダーは似合わないかもしれないけれど!!

三枚も押し付けて来てしまったけれど!!(三日分)

ラベンダーは睡眠にいいんだぞっ!!

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