黒曜の戦場
咲くんはふふっと笑いながら教えてくれるけれど、それ私たち知っちゃっても後でしばかれない?大丈夫??
「方向音痴……」
ちょっとその話も聞きたいかもしれないけれど、ここだと作業の邪魔になってしまうから、そろそろ引き上げた方がよさそうかもしれない。
「あ、の、続きは車で聞きたいです」
「そうだね、俺がいたら緊張させて作業進まないだろうし」
「…………え?」
『俺がいたら』って。
咲くんが……いっちばん偉い人がいたら、作業が進まない……?(主に下々の者の)
なぜかみんなが作業中、必ず姿を消していた咲くん。
まさか……気遣ってこの部屋から出て行っていたの?
「なる、ほど」
私は大きく頷いて、それまでの謎がひとつ解決したことにアハ体験のスッキリさのようなものを感じていた。
それなら咲くんは原稿作業をここでは出来ないってわけだね!?
琥珀ちゃんは完全に理解しました!!