黒曜の戦場
「うん?なんか嬉しそうだね、琥珀ちゃん」
「むふふ、琥珀は謎がひとつ解けて楽しい気持ちになってきました。今日のソシャゲの10連ガチャもきっと虹色の輝きが私を待ってくれていることでしょう」
「お先に失礼します、お疲れ様でーす」と作業中のみんなにぺこりして、それから咲くんについて下につけてある車まで誘導される。
というか咲くんが私についてくれているのは、一応下々の者からの護衛なのかもしれない。
私が来てまだ日が経っていないから、知らない人もいるだろうし。
いっちばん偉い人が自ら護衛してくれるって思ったらちょっと恐れ多く感じてしてしまうけれど。
いや、もしかしたら送り迎えの短い時間で琥珀ちゃんのことをもっと知りたいだけなのかもしれない……!!
エスコートするように今日も車に導かれて、私は送られていく。
咲くんが一緒だと怖い人たちの中にいてもへっちゃらだから不思議だ。
一人でここへ来たいとは思えない。
下の人たち怖い。またバイクぶんぶんしてる。
「そういえば、下の音ってほとんど上まで響いてきませんね」
バイクをぐるぐると乗り回す人たちを見ながら、咲くんに尋ねた。