黒曜の戦場


「女の子が居ると、女の子のキャラを描く時に楽になるよね」

「…………女の子」

「うん、女の子」

「………………それはつまり」



決して自分が女の子と呼ばれたことに違和感があるわけではない。断じて。

琥珀ちゃんは心も体もうら若き乙女だということを前提として。



そんなことよりも今、さりげなく……私、今後あの絡みのポジションに入れって言われています???



「え」

「実は女の子を連れて来て描いていた時もあったんだけど、アピールが鬱陶しい子ばっかりでね」

「あぴーる」

「2,3人みて、すぐやめちゃったんだ。それ以来、下の子たちに来てもらってて」



女の子たちを連れてきて、描いてたことはあったらしい。

アピール鬱陶しいって……?

なんの……??



「その点、琥珀ちゃんは全然媚びたりしないで真剣に作業してくれてたし、安心だね」

「……私、描かれるんです?」

「それも兼ねて連れてきた様なものだからね」



にっこり、お得意の煌めきスマイル。

これは……いつものように押し通されるパターンなのでは。

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