君の気持ち嬉しかった
「玲太、15時にいつもの公園な!」

「おけー」

放課後、いつも俺の席の周りで集合時間や場所を決める。

いつも通りのこと。

でもそこに割り込んできたのが、

「玲太くん、ちょっといい?」

「おっとー!薫が玲太に話があるってさ!」

「ちゅーするのか?」

すかさず、みなから下品な茶化しが入る。

それがとても気に食わない。

「なに?」

いつも以上の塩対応。

「いや、あの、ちょっと来て欲しくて。」

周りの合いの手がうるさくて更にイライラする。

「ここで話せよ」

「えっと、土曜日って遊べる?」

「サッカーあるから無理」

クラブチー厶のキャプテンだからサボる訳にはいかない。

「日曜日は?」

「試合ある」

「じゃあ遊べる日ないかな?」

周りの盛り上がりが最高潮に達し、
真逆に俺の心は暗く冷たくなった。

「うざいよ」

それだけ言って、教室から出ていった。

他の男子もそれに倣う。

「玲太、かっけー」

「やっぱ男だわ」

訳の分からん賞賛だが、当時の俺にはそれが心地よく感じていた。
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