雨上がりの景色を夢見て
第1章 新しい季節
白いカーテンが、春の香りとともに優しく揺れる。暖かい風にのって、グラウンドで汗を流す生徒達の声が保健室内に響き渡る。
「中川先生、今日もいいですか?」
1人の女子生徒が開けたままの扉から、サラサラのストレートヘアーを耳にかけながら顔を覗かせた。
「ええ、もちろん」
私の言葉に、クリッとした目が今度は細長くなり、キラキラした笑顔に変わった。彼女は2年B組の清水千世さん。すぐにもう1人、ボブヘアで少し茶色がかった髪の毛の女子生徒が顔を覗かせる。清水さんと同じクラスの近藤亜紀さん。2人は中学からの大親友で、いつも一緒だ。
「「失礼しまーす」」
息ぴったりでそう言うと、2人はソファーに向かいいつもの定位置に腰掛ける。
「気持ちいいー!」
「亜紀、お腹見えそう。でも、確かに今日は暖かいね。ふぁ~」
大きく伸びをした近藤さんのセーラー服の裾を引っ張りながら、清水さんも大きなあくびをする。
私は冷蔵庫から麦茶を取り出し、小さめの紙コップに注いで、彼女達の前に置いた。
「「ありがとうございます」」
「あっ、冷たいお茶に変わってる。昨日までホットだったよね?」
すぐに違いに気がついた清水さんは、伸びをしたままの近藤さんに確認した。
「本当だ。冷たくて気持ちいね」
昨日までは4月の中旬に差し掛かるというのに、まだ肌寒かったため、保健室の飲み物も温かいままにしていた。
「中川先生、今日もいいですか?」
1人の女子生徒が開けたままの扉から、サラサラのストレートヘアーを耳にかけながら顔を覗かせた。
「ええ、もちろん」
私の言葉に、クリッとした目が今度は細長くなり、キラキラした笑顔に変わった。彼女は2年B組の清水千世さん。すぐにもう1人、ボブヘアで少し茶色がかった髪の毛の女子生徒が顔を覗かせる。清水さんと同じクラスの近藤亜紀さん。2人は中学からの大親友で、いつも一緒だ。
「「失礼しまーす」」
息ぴったりでそう言うと、2人はソファーに向かいいつもの定位置に腰掛ける。
「気持ちいいー!」
「亜紀、お腹見えそう。でも、確かに今日は暖かいね。ふぁ~」
大きく伸びをした近藤さんのセーラー服の裾を引っ張りながら、清水さんも大きなあくびをする。
私は冷蔵庫から麦茶を取り出し、小さめの紙コップに注いで、彼女達の前に置いた。
「「ありがとうございます」」
「あっ、冷たいお茶に変わってる。昨日までホットだったよね?」
すぐに違いに気がついた清水さんは、伸びをしたままの近藤さんに確認した。
「本当だ。冷たくて気持ちいね」
昨日までは4月の中旬に差し掛かるというのに、まだ肌寒かったため、保健室の飲み物も温かいままにしていた。
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