雨上がりの景色を夢見て
side 上田修二
「ただいま」
「あっ、兄ちゃんおかえりー」
玄関の扉を開けると、ちょうど階段を降りてきた圭介が、出迎えてくれた。
「雨、平気だった?」
「傘持ってたから、平気だった。部活は…あー、そっか、今日は練習休みだって言ってたもんな」
この天気だから、野球の練習のことを気にかけたけれど、休みだったことを思い出した。
今となってみては、練習が休みだった理由がはっきりわかる。
顧問の高梨先生にとって、大切な用事があったから。それも、行き先は俺と同じ。
「…なんか、元気ない?」
「え?ああ、全然。部屋行って着替えてくる」
弟の鋭い洞察力に驚きながら、そう答えて自分の部屋に向かった。
堅苦しいスーツを脱ぎ、ハンガーにかける。楽な部屋着に着替えて、ベットの上に大の字にダイブした。
天井を見上げ、額に片腕を乗せて、今日の雛さんの様子を気にかける。
体調、平気かな…。
なんで、朝隣に乗っている時に気がついてあげられなかったのだろう。
「…いつもだ…」
昔から、肝心なところで、雛さんの変化に気がついてあげられなかった。
真っ先に気がつくのは、貴史くんだったんだ。
「あっ、兄ちゃんおかえりー」
玄関の扉を開けると、ちょうど階段を降りてきた圭介が、出迎えてくれた。
「雨、平気だった?」
「傘持ってたから、平気だった。部活は…あー、そっか、今日は練習休みだって言ってたもんな」
この天気だから、野球の練習のことを気にかけたけれど、休みだったことを思い出した。
今となってみては、練習が休みだった理由がはっきりわかる。
顧問の高梨先生にとって、大切な用事があったから。それも、行き先は俺と同じ。
「…なんか、元気ない?」
「え?ああ、全然。部屋行って着替えてくる」
弟の鋭い洞察力に驚きながら、そう答えて自分の部屋に向かった。
堅苦しいスーツを脱ぎ、ハンガーにかける。楽な部屋着に着替えて、ベットの上に大の字にダイブした。
天井を見上げ、額に片腕を乗せて、今日の雛さんの様子を気にかける。
体調、平気かな…。
なんで、朝隣に乗っている時に気がついてあげられなかったのだろう。
「…いつもだ…」
昔から、肝心なところで、雛さんの変化に気がついてあげられなかった。
真っ先に気がつくのは、貴史くんだったんだ。