雨上がりの景色を夢見て
大学生の頃、何人かと付き合った。だけど、
『修二くんって、心の壁がある』
『心、開いてないよね?』
と言われ、ふられてしまった。
そうだと思う。いいなぁと思って付き合ってても、本当に相手に失礼な話だけど、心の奥底に雛さんの存在があった。
雛さんのことを忘れてしまうほどの恋愛をしてしまいたい。そう何度も思った。
だけど、手に入ることのない俺の中の雛さんの存在は大き過ぎて、かき消すことなんて出来なかった。
俺は歪んでいる。
雛さんと再会して、もしかしたら、ここから自分の都合のいいように運命が動き出すかもしれない、なんて考えてしまったから。
俺は最低だ。
一瞬でも、もう雛さんのそばに貴史くんがいない現実を見て、俺が入る隙があると期待してしまったから。
「…かっこ悪すぎ」
そう呟き、今日体調を崩して高梨先生と妹さんの車に乗った雛さんの姿を思い出す。真っ先に雛さんの異変に気がついた夏奈さん。心配そうな眼差しの高梨先生。
結局、俺の立ち位置は変わらない。
一人取り残されている感覚を思い出す。
はぁー…。
「…雛さん、大丈夫かな」
『修二くんって、心の壁がある』
『心、開いてないよね?』
と言われ、ふられてしまった。
そうだと思う。いいなぁと思って付き合ってても、本当に相手に失礼な話だけど、心の奥底に雛さんの存在があった。
雛さんのことを忘れてしまうほどの恋愛をしてしまいたい。そう何度も思った。
だけど、手に入ることのない俺の中の雛さんの存在は大き過ぎて、かき消すことなんて出来なかった。
俺は歪んでいる。
雛さんと再会して、もしかしたら、ここから自分の都合のいいように運命が動き出すかもしれない、なんて考えてしまったから。
俺は最低だ。
一瞬でも、もう雛さんのそばに貴史くんがいない現実を見て、俺が入る隙があると期待してしまったから。
「…かっこ悪すぎ」
そう呟き、今日体調を崩して高梨先生と妹さんの車に乗った雛さんの姿を思い出す。真っ先に雛さんの異変に気がついた夏奈さん。心配そうな眼差しの高梨先生。
結局、俺の立ち位置は変わらない。
一人取り残されている感覚を思い出す。
はぁー…。
「…雛さん、大丈夫かな」