雨上がりの景色を夢見て
夏奈さんの服もノースリーブのワンピース。ウエストの細さが際立つ、白がベースで、水色の大きな花の模様が大人びた雰囲気を出している。

夏奈さんの一つ一つの仕草はとても女性らしく、品の良いオーラが漂っている。

夏奈さんの隣を歩く私は、浮かないのだろうか…。

そんな心配が私の頭をよぎる。

「今日は、私の用事に付き合ってもらっちゃうけど、雛ちゃん行きたいところない?」

エレベーターに乗って、地下駐車場へ降りる間、夏奈さんが尋ねた。

「いえ、夏奈さんの行くお店にも興味があるので…」

「そう?ありがとう」

夏奈さんは嬉しそうにそう言うと、エレベーターの中の鏡で、髪の毛を少し整え直した。











「すごくおしゃれな帽子…」

夏奈さんと来たのは、普段私が足を運ばない高級店のたくさん入っているデパート。

夏用の帽子を選ぶと言うことで、おしゃれなデザインの帽子が並ぶお店に来た。

「雛ちゃんも、被ってみたら?」

夏奈さんの言葉に、近くの帽子の値札を見る。

やっぱり、結構いい値段…。

そう思いながらも、好みのデザインの帽子を手に取って、鏡で確認する。

せっかく素敵なお店に来たし、もうすぐボーナス出るから、奮発しちゃおうかな…。

店内の他の帽子も試してみて、1番気に入ったものを買うことにした。




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