雨上がりの景色を夢見て
その後、多くの種類のアロマオイルが置いてあるお店で、夏奈さんが買い物をし、おしゃれなお店でランチを食べ、あっという間に帰りの時間になった。

「雛ちゃん、連絡先交換してもいい？」

夏奈さんの車の助手席に乗ると、スマホをいじっていた夏奈さんが言った。

「はい、もちろんです」

お互いのスマホをかざし、連絡先を交換する。

「ちなみにだけど、夏樹は知ってる？雛ちゃんの連絡先」

高梨先生の名前に、昨日の記憶がよぎり、一瞬胸がドキッと大きく鼓動する。

「いいえ。職場の人とはほとんど連絡先は交換しないので…」

同じ養護教諭の先生や、同期の先生とは交換することはあっても、連絡網のある職場の先生とは特に交換する機会がない。

「そうなのね」

夏奈さんはそう言うと、スマホをカバンにしまい、車のエンジンをかけて走らせた。

「そういえば、ミスコンの話の続きなんだけど…夏樹は大学のミスターコン2連覇してるのよ」

「えっ…」

夏奈さんの言葉に驚いて、運転する夏奈さんの横顔を見る。

私の表情をチラッと見て、前を向き直した夏奈さんはふふっと笑った。

「驚いたでしょ？夏樹、全然そういうの興味なさそうだし」



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