雨上がりの景色を夢見て
「このままご実家に?」
私の車の前まで一緒に来てくれた高梨先生が尋ねた。
「はい。ケーキ屋さんでケーキ受け取るのを頼まれてるので、寄ってから向かいます」
菜子の好きなウサギをモチーフにした、ドーム型のデコレーションケーキがあるお店で、誕生日仕様にお願いしたらしい。
「そうですか。楽しんでくださいね」
「ありがとうございます。高梨先生も明日は…お気を付けて」
こういう時に、どんな言葉をかけるのが正解なのか分からない。夏奈さんを知っているからこそ、軽はずみなことは言えない。
そんな私の心境を察した高梨先生が、フッと笑ったのが分かった。
「夏奈が、会いたがってたよ?検査が終わったら、夏奈から連絡来るんじゃないかな…」
えっ…
急なオフモードの高梨先生に、ちょっと驚いて、胸がドクンと大きく鼓動した。
「…連絡、待ってます。夏奈さんによろしくお伝えください」
「うん。飴と一緒に伝えておくよ」
そう言って高梨先生は、ポケットから魔法の飴玉を見せて、持ったまま私に手を振って自分の車へ歩いて行った。
高梨先生の後ろ姿を見届けて、私も自分の車に乗り込む。
ドアを閉めて、小さく息を吐いた。
私の車の前まで一緒に来てくれた高梨先生が尋ねた。
「はい。ケーキ屋さんでケーキ受け取るのを頼まれてるので、寄ってから向かいます」
菜子の好きなウサギをモチーフにした、ドーム型のデコレーションケーキがあるお店で、誕生日仕様にお願いしたらしい。
「そうですか。楽しんでくださいね」
「ありがとうございます。高梨先生も明日は…お気を付けて」
こういう時に、どんな言葉をかけるのが正解なのか分からない。夏奈さんを知っているからこそ、軽はずみなことは言えない。
そんな私の心境を察した高梨先生が、フッと笑ったのが分かった。
「夏奈が、会いたがってたよ?検査が終わったら、夏奈から連絡来るんじゃないかな…」
えっ…
急なオフモードの高梨先生に、ちょっと驚いて、胸がドクンと大きく鼓動した。
「…連絡、待ってます。夏奈さんによろしくお伝えください」
「うん。飴と一緒に伝えておくよ」
そう言って高梨先生は、ポケットから魔法の飴玉を見せて、持ったまま私に手を振って自分の車へ歩いて行った。
高梨先生の後ろ姿を見届けて、私も自分の車に乗り込む。
ドアを閉めて、小さく息を吐いた。