雨上がりの景色を夢見て
真っ暗な部屋の中に、開けた扉から廊下の明かりが差し込む。ちょうど、夏奈の寝ているベットを照らした。
眩しさで気がついたらしく、体を起こして長い髪の毛を掻き分けて、俺を見る夏奈。
「…おかえり」
ちょっと掠れた声だった。きっと恐怖で、泣いていたのだと思う。
「ただいま…。大丈夫?」
「うん、平気」
淡々と会話をする俺たちの間には、毎年同じような空気が流れる。
夏奈のベットに腰掛けて、手に持っていた飴玉を1粒、夏奈に渡した。
電気スタンドをつけて、受け取ったものを確認する夏奈。
「…夏樹がこんなに可愛らしい飴持ってるなんて、珍しいわね」
キラキラ輝く包装の飴玉をまじまじと眺めながら、夏奈が呟いた。
「中川先生がくれた」
「雛ちゃんか、納得」
中川先生の名前に、夏奈が笑顔になって、俺は内心ほっとした。
「魔法の飴なんだって」
「…魔法の飴。願い事叶うのかしら」
そう言ってふふふっと笑うと、夏奈は飴玉を電気スタンドの横に置いた。
虹色の綺麗な飴玉を見つめ、何かを考えている夏奈。しばらくして、口を開いた。
「明日、検査に持っていくわ。お守りがわりね」
その言葉に、俺は小さく頷いて立ち上がり、
「じゃあ、おやすみ」
そう言って、部屋を出た。
眩しさで気がついたらしく、体を起こして長い髪の毛を掻き分けて、俺を見る夏奈。
「…おかえり」
ちょっと掠れた声だった。きっと恐怖で、泣いていたのだと思う。
「ただいま…。大丈夫?」
「うん、平気」
淡々と会話をする俺たちの間には、毎年同じような空気が流れる。
夏奈のベットに腰掛けて、手に持っていた飴玉を1粒、夏奈に渡した。
電気スタンドをつけて、受け取ったものを確認する夏奈。
「…夏樹がこんなに可愛らしい飴持ってるなんて、珍しいわね」
キラキラ輝く包装の飴玉をまじまじと眺めながら、夏奈が呟いた。
「中川先生がくれた」
「雛ちゃんか、納得」
中川先生の名前に、夏奈が笑顔になって、俺は内心ほっとした。
「魔法の飴なんだって」
「…魔法の飴。願い事叶うのかしら」
そう言ってふふふっと笑うと、夏奈は飴玉を電気スタンドの横に置いた。
虹色の綺麗な飴玉を見つめ、何かを考えている夏奈。しばらくして、口を開いた。
「明日、検査に持っていくわ。お守りがわりね」
その言葉に、俺は小さく頷いて立ち上がり、
「じゃあ、おやすみ」
そう言って、部屋を出た。