雨上がりの景色を夢見て
帰りにみんなでお土産コーナーに寄った。ぶどうに関する商品が揃っていて、見ていてわくわくする。

菜子は、ぶどうのキャンディーを見つけ手に取り、カゴを持つ母の元へ向かった。

ふと、目に入ってきたのは、おすすめギフトコーナー。立ち止まって、並んでいるギフトを見てまわる。

あっ…

思わず手に取ったのは、ぶどうジュースとぶどうジャムのおしゃれなギフトセット。

夏奈さん、こういうの好きそう。

隣には、お試しサイズの白ワインと赤ワインのギフトセットが置いてあり、それは高梨先生用に買うことにした。

好みもあるから、残る物よりは、食べ物の方が渡しやすい。

2つの箱を持ち、レジに向かう。レジの横に置いてあった小瓶のジャムを自分用にと手に取り、お会計をした。

あんなに朝、悩んでいたけれど、ぶどう狩りに来た先で、良いプレゼントを見つけられたことに、ほっとする。

「雛ちゃん、いい物見つかった?」

出口で合流すると、仁さんが私の手に持つ紙袋を見て尋ねた。

「はい。仁さん達は?」

私のより3倍ほど大きい紙袋を持っている仁さんの手元を見る。

「ほとんど、お母さんと菜子が選んだ物。あ、でもワイン選んでもらった」

仁さんは嬉しそうにそう言って笑った。仁さんにつられて、私も笑顔になる。

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