雨上がりの景色を夢見て

side 上田修二

塩ジェラードの冷たさに、体力を回復させながら、隣に座る雛さんをチラッと見る。

まさかこんなところで会うと思わなかった。

「お墓参りの後、大丈夫でした?」

「ええ、寝たら、かなり良くなったわ。…大切な日だったのに、ごめんなさい」

「すぐに元気になったのであれば安心しました」

そう言って、もうほとんど溶けかけているジェラードをカップに口をつけて飲み干した。

「ごちそうさまでした」

俺の言葉に、雛さんは優しく微笑む。以前会った時よりも、さらに雰囲気が柔らかくなったことに驚いた。

この2ヶ月で、何か変化があったのだろうか。

「行きましょう」

雛さんの言葉に、近くのゴミ箱にカップとスプーンを捨てて、先に歩き始めていた雛さんの後ろを追いかける。

「暑いですねー。学校の先生って、夏休み中も普通に勤務なんですか?」

「そうよ。生徒がいない長期休みだからこそ出来る仕事もあるから。でも、休みが取りやすいから、長期の休みを取る先生もいるわ」

「先生って、普段残業多いイメージです」

自分が高校生の頃も、遅くまで先生たちが残っていたことを思い出す。




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