雨上がりの景色を夢見て
『誰かと一緒なら平気なの…？』

『…1人よりはマシだと思う…。でもそれでも怖い…』

誰かと話しをしていたとしても、内心ドキドキしているし、嫌だな、とは思っている。今後、この暗闇嫌いが治る日は来るのだろうか…。

そう、何度も考えて来た。大人になった今でも、克服できていない。











冷凍庫から氷を取り出し、マグカップに入れる。下の段の冷蔵庫からあらかじめ作っておいたアイスコーヒーを注いだ。

椅子に座り、パソコンと向かい合う。

作成途中の資料を読み返して、内容を確認していく。

ブッブッ

デスクの上のスマホにメッセージが届き、画面を開く。

修二くんからだ。

メッセージに目を通し、画面をロックして背もたれに寄りかかった。

用件は、文化祭の招待券が欲しいという内容だった。どうやら弟の圭介くんの手持ち分は既に配り切ってしまっていたらしく、私にお願いして来た。

それだけなら、即答できるけれど、続きがあった。

『ついでと言ってはなんですけど、今度の休みに、一緒に飯でも食いに行きませんか？飲みじゃなくて昼飯とかでもいいんで』

という誘いだった。




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