雨上がりの景色を夢見て
「あっ、雛さん!」
土曜日のお昼、私は約束していたカフェに来た。中に入ると、すでに修二くんが座って待っていて、私に気がつくと人懐っこい笑顔で私を呼んだ。
周りのお客さんの視線が恥ずかしくて、早足で席に向かう。
「修二くん、声大きいわよ」
修二くんにしか聞こえないくらいの小さな声でそう言うと、修二くんは恥ずかしそうにして、頭を掻いた。
「すいません、つい…」
そう言いながら、私にメニュー表をむせてくれた修二くん。
「ありがとう…。私は、ランチBセットにするわ」
「気が合いますね、俺も一緒です」
冗談混じりでそう言うと、修二くんは店員さんを呼び止めて注文をした。
私は、内心手紙のことが引っかかっている。内容も気になるけれど、どうして貴史の手紙を修二くんが持っているのかが1番気になった。
けれど、修二くんから手紙の話題は中々出てこない私は、カバンの中から文化祭の招待券を1枚取り出して、修二くんに差し出した。
嬉しそうに受け取って、チケットの表と裏をじっくりと見る修二くん。
「ありがとうございます。これが招待券なんですね。デザインも生徒が考えたんですか?」
「ええ。美術部の生徒が毎年考えてるのよ」
「へー。嬉しいだろうな、自分の描いた絵が色々な人の元へ届くんだから」
感心した様子でそう言うと、修二くんは券をカバンの中に丁寧に入れた。
土曜日のお昼、私は約束していたカフェに来た。中に入ると、すでに修二くんが座って待っていて、私に気がつくと人懐っこい笑顔で私を呼んだ。
周りのお客さんの視線が恥ずかしくて、早足で席に向かう。
「修二くん、声大きいわよ」
修二くんにしか聞こえないくらいの小さな声でそう言うと、修二くんは恥ずかしそうにして、頭を掻いた。
「すいません、つい…」
そう言いながら、私にメニュー表をむせてくれた修二くん。
「ありがとう…。私は、ランチBセットにするわ」
「気が合いますね、俺も一緒です」
冗談混じりでそう言うと、修二くんは店員さんを呼び止めて注文をした。
私は、内心手紙のことが引っかかっている。内容も気になるけれど、どうして貴史の手紙を修二くんが持っているのかが1番気になった。
けれど、修二くんから手紙の話題は中々出てこない私は、カバンの中から文化祭の招待券を1枚取り出して、修二くんに差し出した。
嬉しそうに受け取って、チケットの表と裏をじっくりと見る修二くん。
「ありがとうございます。これが招待券なんですね。デザインも生徒が考えたんですか?」
「ええ。美術部の生徒が毎年考えてるのよ」
「へー。嬉しいだろうな、自分の描いた絵が色々な人の元へ届くんだから」
感心した様子でそう言うと、修二くんは券をカバンの中に丁寧に入れた。