雨上がりの景色を夢見て
「そういえば、高梨先生って、どんな方なんですか？」

えっ…

突然、修二くんの口から出てきた名前に、ドキッとする。玄米を口に運び、修二くんの表情を伺う。

「いや、圭介がすごく尊敬してるから…」

私の視線に、少し緊張した様子だった。

私、今どんな表情で修二くんを見たんだろう。

自分の中の動揺を隠すように、スープを一口飲み、少し気持ちを落ち着かせてから、口を開いた。

「生徒想いの、芯のある優しい先生よ」

私の言葉に、修二くんはほっとした様子で笑った。

「そっか」

その笑顔に、上田くんの先生が高梨先生で良かった、と思ったのだと感じ、私もほっと胸を撫で下ろす。

私がサラダを口に運んだ時、修二くんは言葉を続けた。

「俺、貴史くんのお墓参りの時にしか会ってないけど、あの時間だけで、高梨先生の人柄の良さを感じたんだ。ある意味、高梨先生ってすごいと思う」

「そう…」

修二くんの表情を見て、私は不思議と懐かしい気持ちになった。それは、高梨先生のことを話す修二くんの表情が、高校生の頃の貴史を慕う表情とそっくりだったから。

同時に、私の胸が、ぎゅーっと締め付けられた。



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