雨上がりの景色を夢見て
美味しそうに、パスタを食べる高梨先生を見ていて、素朴な疑問が浮かんできた。

「車はどこに止めたんですか?」

「近くのコインパーキングだよ」

えっ…

「あまり長時間止めてると、金額が…」

「大丈夫、最初の2時間半で、30分ごとに100円取られたら、それ以降は24時間一律500円に切り替わるから」

「…私、パーキング代出します」

「気にしない、気にしない。ご飯だってこうやってご馳走してもらってるんだし」

「でも…」

もっと早く気がつけばよかった。

そう思いながら、パスタを口に運ぶ。

「気にするなって言っても、気にしちゃうのが雛ちゃんかな?…うーん」

困ったように笑うと、高梨先生は何かを考え込んだ。

しばらく考え込み、私の表情をチラッと伺う高梨先生。

不思議に思い、首を傾げると、高梨先生はふっと笑って、口を開いた。

「…あとでお願いするよ」

お願い…?

そう言った高梨先生の表情に、何か企んでいるのでは、と感じてドキッとした。



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