雨上がりの景色を夢見て
side 高梨兄妹
帰りの車内、助手席ですやすやと眠る雛ちゃんに視線を向ける。
会話をしながら、少しずつ反応するまでの時間が長くなってきたと思った時には、既に夢の中に吸い込まれていた彼女を微笑ましく思う。
たくさん歩いて、きっと疲れたのだと思う。砂浜を歩く雛ちゃんは、映画のワンシーンのような姿だった。
思わず、スマホで写真を撮ってしまったほど。このことは雛ちゃんはまだ知らない。
そして、砂浜での出来事を思い出すと、頬の筋肉が緩むのを感じた。
いわゆる、プロポーズ。そして、今助手席で眠っている彼女は、婚約者。
〝婚約者〟という言葉に、胸がいっぱいになって、心臓が大きく鼓動する。
最初は、貴史くんと大和田さんに会いに行くというお願いだけの予定だった。でも、2つに増えたことで、もう1つのお願いを何にするかしばらく悩んでいた。
プロポーズをしようと決心したのは、砂浜で楽しそうに歩く雛ちゃんの姿を見た時。
この先、何年も、何十年もこの姿を見ていたい、そして同じ時間を過ごしたいと強く思ったから。
高速道路を下りて、国道に入る。
ふと、プロポーズはしたけれど、急な展開に肝心なものを用意していないことに気がついた。
もう1度、眠る雛ちゃんの様子を伺う。だいぶ深い眠りについているようで、起きる気配がない。
俺は、少し遠回りして雛ちゃんのマンションに戻ることに決めた。
会話をしながら、少しずつ反応するまでの時間が長くなってきたと思った時には、既に夢の中に吸い込まれていた彼女を微笑ましく思う。
たくさん歩いて、きっと疲れたのだと思う。砂浜を歩く雛ちゃんは、映画のワンシーンのような姿だった。
思わず、スマホで写真を撮ってしまったほど。このことは雛ちゃんはまだ知らない。
そして、砂浜での出来事を思い出すと、頬の筋肉が緩むのを感じた。
いわゆる、プロポーズ。そして、今助手席で眠っている彼女は、婚約者。
〝婚約者〟という言葉に、胸がいっぱいになって、心臓が大きく鼓動する。
最初は、貴史くんと大和田さんに会いに行くというお願いだけの予定だった。でも、2つに増えたことで、もう1つのお願いを何にするかしばらく悩んでいた。
プロポーズをしようと決心したのは、砂浜で楽しそうに歩く雛ちゃんの姿を見た時。
この先、何年も、何十年もこの姿を見ていたい、そして同じ時間を過ごしたいと強く思ったから。
高速道路を下りて、国道に入る。
ふと、プロポーズはしたけれど、急な展開に肝心なものを用意していないことに気がついた。
もう1度、眠る雛ちゃんの様子を伺う。だいぶ深い眠りについているようで、起きる気配がない。
俺は、少し遠回りして雛ちゃんのマンションに戻ることに決めた。