雨上がりの景色を夢見て
『今日は弟が大変お世話になりました。空いていたら明日の夜、飲みに行きませんか?』

送られてきたメッセージは昨日の22時過ぎ。明日って今日のことだ。

今の私は、修二くんを前にして平常心でいられるのだろうか。不安が頭をよぎる。

ただ、昨日、再会を心の底から嬉しそうにしていた修二くんの姿を思い出すと、私の自分勝手な感情で断ってしまうことに罪悪感を抱く。

もう少しだけ、お昼頃まで考えよう…。

スマホの画面をホーム画面に戻し、テーブルの上に置いた。香ばしい香りのするカリカリに焼けたトーストにたっぷりのバターを塗ってかじった。

ジワっとバターの油と塩気が口の中に広がる。

ショッピングセンターのパン屋さんで食パン買ってこよう。

家の中を見渡して、他に買ってくるものは無いのか確認する。

ドリップコーヒーも後少しでなくなりそうだったことを思い出し、メモパッドに書き込んだ。

私も仁さんへのプレゼントを選ぼう。

昨年は、仁さんの長期の出張が近かったため、ワイシャツを贈った。色は母と相談して、仁さんによく似合う水色のストライプ柄のものにした。

今年は何がいいかな…。




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