雨上がりの景色を夢見て
「…うん、教えてくれてありがとう。あとは、タイミングみて少し話を聞いてみるよ」
藤永先生は優しく微笑んで、ゆっくりと保健室へと歩き始めた。
藤永先生の後ろ姿を見て、背中から全てを包み込んでくれそうな温かい雰囲気が感じられて、私は背中に向かって話しかける。
「…藤永先生は…夏奈さんに想いを伝えないんですか…?」
「いきなりだね…。うーん…結構、慎重だからね。夏奈さんの不安に思ってることや人生設計を聞いてからかな。そこに、自分の入る隙があれば伝えるかもしれないな…」
淡々と答える藤永先生の言葉を聞き、考え方に余裕があると感じながら、私も保健室に向かった。
「おかえりなさい。あっ、絆創膏1枚もらったわ。えっと…メモしたのよね。あったあった。1年A組の戸塚恵美さん。指を果物ナイフで少し切って、ここに来たの。全然傷口深くなくて、血も止まってたんだけど、染みないように防水の絆創膏貼ってあげたわ。待たせようと思ったけど、いつ戻ってくるか確証なかったから」
メモを手に持ちながら、状況を説明してくれた夏奈さん。
「ありがとうございます。あとで声かけてみますね」
私は、夏奈さんからメモを受け取って、机の上に置いた。
「ちょっとだけ、保健室の先生になった気分だった」
夏奈さんはそう言って嬉しそうに笑った。元気そうな姿にわたしはほっと胸を撫で下ろす。
藤永先生は優しく微笑んで、ゆっくりと保健室へと歩き始めた。
藤永先生の後ろ姿を見て、背中から全てを包み込んでくれそうな温かい雰囲気が感じられて、私は背中に向かって話しかける。
「…藤永先生は…夏奈さんに想いを伝えないんですか…?」
「いきなりだね…。うーん…結構、慎重だからね。夏奈さんの不安に思ってることや人生設計を聞いてからかな。そこに、自分の入る隙があれば伝えるかもしれないな…」
淡々と答える藤永先生の言葉を聞き、考え方に余裕があると感じながら、私も保健室に向かった。
「おかえりなさい。あっ、絆創膏1枚もらったわ。えっと…メモしたのよね。あったあった。1年A組の戸塚恵美さん。指を果物ナイフで少し切って、ここに来たの。全然傷口深くなくて、血も止まってたんだけど、染みないように防水の絆創膏貼ってあげたわ。待たせようと思ったけど、いつ戻ってくるか確証なかったから」
メモを手に持ちながら、状況を説明してくれた夏奈さん。
「ありがとうございます。あとで声かけてみますね」
私は、夏奈さんからメモを受け取って、机の上に置いた。
「ちょっとだけ、保健室の先生になった気分だった」
夏奈さんはそう言って嬉しそうに笑った。元気そうな姿にわたしはほっと胸を撫で下ろす。