雨上がりの景色を夢見て
肩側から指でなぞり、鎖骨付近に到達する。
「…ひかないですか?」
「なんで?大事な証だろ?」
いつもと口調が少し変わったのが、自分でも分かる。
雛ちゃんは、俺の言葉に大きな目を瞬きして、きょとんとした様子で俺を見る。
その様子が可愛らしくて、ふっと笑みが溢れる。
ちょうど傷痕のはじまりの肩甲骨に当たりの、そっと顔を近づける。
「…くすぐったい…っ」
その声が耳に届いたのと同時に、触れる唇に力を入れて吸うと、雛ちゃんの口から、小さく声が漏れた。
「…っ…痛い」
唇を離して、肌をよく見ると、くっきりと赤く痕が付いている。そっと首元を整えて、驚いている雛ちゃんの顔を覗き込む。
彼女の乾きかけた髪の毛を、そっと耳にかけて、口を近づける。
「好きだよ」
囁くようにそう呟くと、顔を真っ赤にして、照れ臭そうに微笑んだ雛ちゃん。
「…私も、好きです。夏樹さんのこと」
俺の心は、彼女の言葉で満たされていく。そっと両頬に手を添えて、唇を重ねる。
「愛してる」
角度を変えて、噛み付くようなキスの合間に一言そう呟いて、再び唇を重ねると、彼女の方から俺の首に手を回してきた。
彼女が、少しでも俺を求めている。そのことが伝わり、もう充分なほど気持ちが満たされた。
だけど、自分でもわからないけれど、心の奥底のどこからか、わずかな不安が湧いているような、安心しきれない気持ちがあった。
「…ひかないですか?」
「なんで?大事な証だろ?」
いつもと口調が少し変わったのが、自分でも分かる。
雛ちゃんは、俺の言葉に大きな目を瞬きして、きょとんとした様子で俺を見る。
その様子が可愛らしくて、ふっと笑みが溢れる。
ちょうど傷痕のはじまりの肩甲骨に当たりの、そっと顔を近づける。
「…くすぐったい…っ」
その声が耳に届いたのと同時に、触れる唇に力を入れて吸うと、雛ちゃんの口から、小さく声が漏れた。
「…っ…痛い」
唇を離して、肌をよく見ると、くっきりと赤く痕が付いている。そっと首元を整えて、驚いている雛ちゃんの顔を覗き込む。
彼女の乾きかけた髪の毛を、そっと耳にかけて、口を近づける。
「好きだよ」
囁くようにそう呟くと、顔を真っ赤にして、照れ臭そうに微笑んだ雛ちゃん。
「…私も、好きです。夏樹さんのこと」
俺の心は、彼女の言葉で満たされていく。そっと両頬に手を添えて、唇を重ねる。
「愛してる」
角度を変えて、噛み付くようなキスの合間に一言そう呟いて、再び唇を重ねると、彼女の方から俺の首に手を回してきた。
彼女が、少しでも俺を求めている。そのことが伝わり、もう充分なほど気持ちが満たされた。
だけど、自分でもわからないけれど、心の奥底のどこからか、わずかな不安が湧いているような、安心しきれない気持ちがあった。