雨上がりの景色を夢見て
夏奈さんが手招きしてくれて、私はベットに寄りかかって床に座ると、夏奈さんのみている雑誌を覗き込む。

「…今って、色々なデザインの水着があるんですね」

「そうなのよ。雛ちゃん、まだ20代なんだし、明るくて可愛らしい水着着てみたら?例えば…こんなのとか」

そう言って、夏奈さんが指差した水着は、結構露出が多めのフリフリのついた花柄の水着だった。ワンショルダーでちょうど左肩が隠れるデザインになっていて、これだったら傷も見えない。

だけど…

「着るのは勇気がいります…」

こんなに肌が出てしまう水着なんて着たことがなく、見ているだけで恥ずかしさを感じてしまう。

「そう?」

「ちなみに、夏奈さんは…?」

「私は今年新しい水着買っちゃってるの。見る?」

私が頷いたのを確認して、クローゼットからハンガーに丁寧にかけてある水着を手に取って私に見せた。

「すごい…夏奈さんに似合います」

カーキ色のトップスに、ハイウェスト仕様のボトムスのビキニは、夏奈さんのスタイルにとても似合っていると思った。トップスについた控えめなフリフリがとても可愛い。

ボトムスのサイドは大胆にも紐の編み込みになっていて、セクシーさが残っていたけど、夏奈さんにピッタリだと思った。

「ありがとう。だからね、雛ちゃんの買い物を理由に、私も水着色々見たくなっちゃって」

悪戯っぽい笑顔の夏奈さんに、私もつられて笑う。



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