雨上がりの景色を夢見て
「雛は、夏奈の部屋使って。夏奈、シーツとかカバー替えてったから」

夏奈さんの部屋の前で、そう言った高梨先生。

私は、夏奈さんとの会話を思い出して、心臓がドキドキしていた。

「電気は、つけっぱなしでいいから」

「…はい」

「…体調悪くなった?」

歯切れに悪い返事に、心配そうに私を見る高梨先生。

私は、首を横に振って、高梨先生に、前から抱きついた。

恥ずかしいから、顔を見られないように高梨先生の胸板におでこをくっつける。

「雛…?」

驚いた様子の高梨先生の声が耳に届く。

「夏樹さん…







一緒に寝よ?」









「…えっ…?」

高梨先生は、私の言葉に固まった。











「…そういう意味に捉えて…いい?」

頭上から聞こえる声に頷く。

きっと私の顔は、真っ赤だと思う。抱きつく手に力を込めて、恥ずかしさのあまり、さらにおでこをしっかりと胸板にあてた。

「…おいで」

私の手を掴んで、高梨先生の部屋へと移動すると、高梨先生は、私の唇を塞ぐ。身を委ねると、あっという間にベットに押し倒された。




< 401 / 538 >

この作品をシェア

pagetop