雨上がりの景色を夢見て
「雛は、子ども何人欲しい？」

お風呂から上がり、私の部屋で一緒にベッドに横になっていると、高梨先生か突然聞いてきた。

そんなこと、考えたことなかった…。

だけど…

「…2人は欲しいかなって思います」

兄妹がいるって素敵だなって、高梨先生と夏奈さんを見ていて素直に思っていた。それに、年はすごく離れているけれど、菜子の存在は、私の中でかなり大きい。

「そっか。雛はしっかりしたお母さんになりそうだね」

「そんなこと…。夏樹さんこそ、素敵なお父さんになりますよ」

「ありがとう。…でも、多分、俺、子どもにかなり甘くなると思うよ？そしたら、俺、雛に叱られるのかな」

想像して、笑い出した高梨先生。私もその様子を想像して、ふふっと笑った。

そして、心の中で思っていたことを初めて口にする。

「…私は、家族みんなで笑顔で過ごせる家庭でありたいって思っています。そして、子どもには素直に感情を出せるようになって欲しいって。だから、きっとそこには夏樹さんの甘やかしちゃう気持ちが必要なんだと思います」

感情を無理やり押し込んでしまうのではなく、解放させてあげたい。

解放した上で、色々教えてあげたい。

子どもらしく、無邪気に成長して欲しい。

私のように、苦しんで欲しくないから。

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