雨上がりの景色を夢見て
side 高梨兄妹
「似合うね」
目の前の、トレーニングウェア姿の彼女に微笑みかける。
俺が、部活指導に行っている間に、近くのスポーツ用品店で買ってきたらしい。
運動しやすい服装の彼女を見るのは初めてで、そのギャップに、ちょっとドキッとしてしまった。
「今のウェアって、軽いんですね」
「うん。生地も改良されてて、着心地結構良いでしょ?」
「はい」
ジムトレーニングに慣れていない雛には、今日は特別体験プログラムを申し込んだ。もちろん、講師は女性指名。
感じの良い、俺と同い年くらいの女性が、雛の元へ来て、専用スペースへ連れて行った。
すでに、自分のやるメニューが定着している俺は、黙々とトレーニングに打ち込む。
だけど、ちょっとだけ心の中に、モヤッとした塊がある。
それは、雛が今日行ったスポーツ用品店に、仕事の営業で来ていた修二くんと会ったということ。
雛が、遠慮気味に教えてくれた。
『…最初は、店員さんに聞こうと思っていたんだけど、仕事柄詳しいからって、修二くんが何が良いか教えてくれたの』
どうやら、スポーツ用品の営業をしている修二くんは、そのことに詳しいらしい。
そのことは、納得できるけど、でもやっぱり、俺も一緒に行って、選んであげたかったと、後悔した。
さすがと思えるほど、雛の身体能力的にも、ジムの経験値としても良いものを選んでくれたと思う。
かえって、それが悔しさを倍増させる。
せめてもの救いは、色は全部雛自身が決めたということ。
『色って、結構やる気やモチベーションに直結するから、絶対自分で選んだほうがいい』
と、修二くんがアドバイスをくれたらしい。
そこは、俺も素直に共感できる。
目の前の、トレーニングウェア姿の彼女に微笑みかける。
俺が、部活指導に行っている間に、近くのスポーツ用品店で買ってきたらしい。
運動しやすい服装の彼女を見るのは初めてで、そのギャップに、ちょっとドキッとしてしまった。
「今のウェアって、軽いんですね」
「うん。生地も改良されてて、着心地結構良いでしょ?」
「はい」
ジムトレーニングに慣れていない雛には、今日は特別体験プログラムを申し込んだ。もちろん、講師は女性指名。
感じの良い、俺と同い年くらいの女性が、雛の元へ来て、専用スペースへ連れて行った。
すでに、自分のやるメニューが定着している俺は、黙々とトレーニングに打ち込む。
だけど、ちょっとだけ心の中に、モヤッとした塊がある。
それは、雛が今日行ったスポーツ用品店に、仕事の営業で来ていた修二くんと会ったということ。
雛が、遠慮気味に教えてくれた。
『…最初は、店員さんに聞こうと思っていたんだけど、仕事柄詳しいからって、修二くんが何が良いか教えてくれたの』
どうやら、スポーツ用品の営業をしている修二くんは、そのことに詳しいらしい。
そのことは、納得できるけど、でもやっぱり、俺も一緒に行って、選んであげたかったと、後悔した。
さすがと思えるほど、雛の身体能力的にも、ジムの経験値としても良いものを選んでくれたと思う。
かえって、それが悔しさを倍増させる。
せめてもの救いは、色は全部雛自身が決めたということ。
『色って、結構やる気やモチベーションに直結するから、絶対自分で選んだほうがいい』
と、修二くんがアドバイスをくれたらしい。
そこは、俺も素直に共感できる。