雨上がりの景色を夢見て

side 上田修二

「今のお客さん、モデルさんとかですか？」

雛さんがお店を出ると、最近入ってきた女性スタッフが、俺の元に来て、興味津々に話しかけてきた。

「違うよ。でも、そう見えたんだ？」

雛さんがそう見えたことに、なぜか俺が誇らしい気持ちになる。

雛さんは、やっぱり綺麗だと思う。そして、ここ数ヶ月見なかった間に、さらに表情が柔らかくなり、雰囲気も明るくなった気がした。

しかも、多分、少し体のラインが変わったんだと思う。

こんなことに気がつくなんて、他の人が知ったら、セクハラとか変態だと思うかも知れないけれど、スポーツをしていたから、結構身体の変化には敏感だ。

まだまだ、華奢な体だけど、健康的な体型に近づいたから、魅力が増したのかもしれない。

「上田さんとどういったご関係の方なんですか？」

「高校の先輩だよ」

「高校に、あんなに綺麗な人がいたら、アイドルじゃないですか！」

テンションの上がっているスタッフに、愛想笑いをして、お店の奥の倉庫に向かう。

在庫確認と、新商品の入荷の打ち合わせを店長と約束をしていたから。

それにしても、雛さんがジムに行くなんてちょっと意外。

でも、体のラインが変わったことを気にして、行くことにしたのかもしれない。

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