雨上がりの景色を夢見て
「楽しかったー」

湯船に浸かり、浴槽の縁に腕を乗せてもたれかかりながら、くつろぐ。

シャワーで、身体についていた泡を一気に流して、藤永先生も湯船に浸かった。

「久々に会えた人も多かったんじゃない?」

「そうなの。すっかり話に花が咲いちゃって。先生、ちょっと寂しかった?」

悪戯っぽく尋ねると、先生は優しく笑いながら、首を横に振った。

「夏奈の楽しそうな姿見れたから、満足」

そう言って、後ろから私の腰にするりと腕を回す藤永先生。

「奥さん、今日から改めて、よろしくお願いします」

後ろから、甘く囁かれて、私の体温が急上昇する。

「…はい。私の方こそよろしくお願いします…っ…」

お湯の暑さと、自分の体温に体中に熱を帯びる。

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