雨上がりの景色を夢見て
第18章 別れと報告
「先生…っ…まだ2年しか経ってないのに!」
「私達が卒業するの見送ってくれると思ってたんですよ…っ…」
清水さんと近藤さんが、目を真っ赤にしながら花束を抱えた私の目の前で泣きじゃくる。
2人の姿に、一度も生徒の前で涙を見せたことのない私は、ぼろぼろと大粒の涙を落とした。
今日は、高校の離任式。私は同じ市内の商業高校へと異動が決まり、今日、生徒達にお別れの挨拶をした。
保健室の常連の生徒だけではなく、色々な生徒達もわざわざ保健室まで会いにきてくれて、素直な子ども達に囲まれて過ごせた2年間だったと感じた。
「みんなの様子は、他の先生達からも聞けるから。自分たちの将来に向かって頑張ってね」
2人は、涙を拭きながら、何度も何度も頷いた。
職員室に戻り、今度は先生方に挨拶をする。異動する先生全員の挨拶が終わってひと段落した時、校長先生が立ち上がった。
「先生方に、嬉しいご報告があります」
校長先生の言葉に、雑談が始まっていた職員室がシーンと静まり返る。
私の心臓は、緊張と恥ずかしさで、大きな音を立てて鼓動している。
この時が来たんだ…。
「この度、中川先生がご結婚されることになりました」
「えっ!?」
隣の席の、大きなお腹の坂本先生が驚きの声をあげて、私の手を握りしめた。
驚きの表情が、弾けるような笑顔に変わり、すぐに目が潤んだ坂本先生に、私の方が今度は驚いてしまった。
「おめでとうございます」
「おめでとう!」
近くの席の先生達が、口々にお祝いの言葉をかけてくれる。
「私達が卒業するの見送ってくれると思ってたんですよ…っ…」
清水さんと近藤さんが、目を真っ赤にしながら花束を抱えた私の目の前で泣きじゃくる。
2人の姿に、一度も生徒の前で涙を見せたことのない私は、ぼろぼろと大粒の涙を落とした。
今日は、高校の離任式。私は同じ市内の商業高校へと異動が決まり、今日、生徒達にお別れの挨拶をした。
保健室の常連の生徒だけではなく、色々な生徒達もわざわざ保健室まで会いにきてくれて、素直な子ども達に囲まれて過ごせた2年間だったと感じた。
「みんなの様子は、他の先生達からも聞けるから。自分たちの将来に向かって頑張ってね」
2人は、涙を拭きながら、何度も何度も頷いた。
職員室に戻り、今度は先生方に挨拶をする。異動する先生全員の挨拶が終わってひと段落した時、校長先生が立ち上がった。
「先生方に、嬉しいご報告があります」
校長先生の言葉に、雑談が始まっていた職員室がシーンと静まり返る。
私の心臓は、緊張と恥ずかしさで、大きな音を立てて鼓動している。
この時が来たんだ…。
「この度、中川先生がご結婚されることになりました」
「えっ!?」
隣の席の、大きなお腹の坂本先生が驚きの声をあげて、私の手を握りしめた。
驚きの表情が、弾けるような笑顔に変わり、すぐに目が潤んだ坂本先生に、私の方が今度は驚いてしまった。
「おめでとうございます」
「おめでとう!」
近くの席の先生達が、口々にお祝いの言葉をかけてくれる。