雨上がりの景色を夢見て
「可愛くて癒されますね。何ヶ月ですか?」

「6ヶ月なんです。あっという間に大きくなっちゃいますね。竜也の時と育児の仕方が変わってて、毎日あたふたしてます」

そう言った佐々木くんのお母さんだけど、表情はとても柔らかく、幸せオーラが溢れている。

「竜也、一花にぞっこんで。わざわざ隣でお昼寝しちゃったり「か、母さん」

慌てて佐々木くんが言葉を遮ると、お母さんは、ふふふっと笑った。

幸せな雰囲気の3人に、私は気がつくと一緒に微笑んでいた。










赤ちゃん…可愛いな。自分の子どもだったら、もっともっと可愛く思うんだろうな…。

帰宅して、餃子を包みながら、私の頭の中は、一花ちゃんや、子どものことでいっぱいになっていた。

結婚したばかりだけど、やっぱり、私は心の底から子どもを望んでるんだ…。

話をできるタイミングがあったら、治療のことも含めて、ちゃんと高梨先生と話し合っておこう。

時期も大切になってくると思うし…。

そんな事を考えていると、玄関から、ガチャッチいう音が聞こえて、私は手を洗ってリビングを出た。



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