雨上がりの景色を夢見て
「…そんなことして、俺のスイッチ入ったらどうするの」

事実、俺の下半身が反応し始めている。

「…そ、それは…身体が持ちません」

だよな…。

「冗談。寝ようか」

「はい…」

そっと雛の頭の下に俺の腕を入れて、腕枕をする。

「…腕、痺れませんか?」

「ううん、全然」

むしろ、雛の頭の重みがちょうど良くて、近くに雛を感じられてぐっすり眠れる。

「…暗闇、平気になってきてよかったね」

「…はい。先生のおかげです…。幸せな気持ちだから平気なんだと…」

そこまで言って、雛の言葉が聞こえなくなる。

寝た…?

規則正しい寝息が聞こえてきて、俺はそっと雛の前髪を掻き分けた。

「おやすみ」

そっとおでこにキスをして、布団をかけ直す。

瞼を閉じると、すぐに夢の中へと意識が消えていった。



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