雨上がりの景色を夢見て
第22章 雨上がりの中
「えっ、表紙ですか?」
5月の連休。6月に行われる結婚式に向けての最終打ち合わせで、担当のスタッフからの依頼に、私は驚いて、目を丸くした。
「旦那さんには、3月にお伝えしていたのですが…聞いてませんでした?」
スタッフの言葉に、私は隣の高梨先生を見た。
先生は、苦笑いで頭をかいている。
「ごめん。でも…俺からだと、断るって即答してただろ?」
「…だけど…急に聞いたらびっくりしちゃう…」
私は、少し気持ちを落ち着かせて、担当スタッフを見た。
「実は、以前打ち合わせをした時に、偶然にも担当のカメラマンがいらしてて。お二人を見て是非と。もし顔が出るのが嫌だったら、逆光を使ったりと、工夫するとおっしゃってました」
「でも…6月に挙式する方は他にもいらっしゃいますよ…?」
どうして、私達が選ばれたのか、不思議でしかない。
「プロの視点で色々考えたんだと思います。…どうしても無理でしょうか?」
もう一度、お願いするスタッフに、私の気持ちが少しだけ揺れ動く。それは、顔が出ないようにするという言葉があったから。
「せっかく、新作のドレスも着るんだし、記念にもなるよ。雛、やってみよう?」
高梨先生は、そう言って私を優しい眼差しで見つめる。
5月の連休。6月に行われる結婚式に向けての最終打ち合わせで、担当のスタッフからの依頼に、私は驚いて、目を丸くした。
「旦那さんには、3月にお伝えしていたのですが…聞いてませんでした?」
スタッフの言葉に、私は隣の高梨先生を見た。
先生は、苦笑いで頭をかいている。
「ごめん。でも…俺からだと、断るって即答してただろ?」
「…だけど…急に聞いたらびっくりしちゃう…」
私は、少し気持ちを落ち着かせて、担当スタッフを見た。
「実は、以前打ち合わせをした時に、偶然にも担当のカメラマンがいらしてて。お二人を見て是非と。もし顔が出るのが嫌だったら、逆光を使ったりと、工夫するとおっしゃってました」
「でも…6月に挙式する方は他にもいらっしゃいますよ…?」
どうして、私達が選ばれたのか、不思議でしかない。
「プロの視点で色々考えたんだと思います。…どうしても無理でしょうか?」
もう一度、お願いするスタッフに、私の気持ちが少しだけ揺れ動く。それは、顔が出ないようにするという言葉があったから。
「せっかく、新作のドレスも着るんだし、記念にもなるよ。雛、やってみよう?」
高梨先生は、そう言って私を優しい眼差しで見つめる。